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坂網猟

伝統が生んだ究極の天然鴨料理

坂網猟のようす
鴨肉
坂網猟のようす
鴨料理画像
鴨鍋
田植えの様子
鴨鍋
鴨料理画像

目次

 1.「食」  幻の鴨肉「坂網鴨」を味わう

 2.「歴史」 伝統の坂網猟「飛ぶ鳥を網で落とす名人技」

 3.「環境」 世界が認めた湿地保全の理想の姿

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第一章 幻の鴨肉「坂網鴨」を味わう

幻の鴨肉「坂網鴨」を味わう

坂網鴨の料理

坂網猟で捕った鴨肉

加賀市では伝統の坂網猟で捕った野生の鴨が食べられます。
鴨の猟は冬の3ヵ月間だけ。
年間200羽前後しか捕れない貴重な鴨の味は『弾力性に富み、臭みもない、その肉は滋味と言うべき深い味わいがあり、鳥肉には珍しい鮮やかな赤色も見る人を喜ばせる。』、と市内で鴨を扱う料理屋の主は語ります。

鴨鍋

鴨鍋(治部煮)

坂網鴨の鴨肉

鴨料理画像

坂網鴨の治部煮

鴨鍋

坂網鴨の料理画像 ※画像をクリックすると、拡大画像がご覧いただけます。 ※画像はイメージです。

「食談会」について

平成25年2月15日(金きんようび)、「坂網猟」の鴨を堪能する食談会を開催いたします。
…食談会のページはコチラ

坂網猟で捕れた鴨が美味しい理由

鴨肉は嫌だという人もいますが、坂網猟で捕れた鴨を食べて、その臭みのない美味しさにびっくりします。
その理由は次の3点にあります。
(加賀市片野鴨池坂網猟保存会編「片野鴨池と坂網猟ガイドブック」より)

  • 1. 飼育鴨のように餌付けをせず、落ち穂のような穀類を主食とした完全に天然の鴨であり、肉と脂のバランスが良く、野生のものだけが持つ独特の旨味がある。
  • 2. 鴨は、昼間は餌を食べない。坂網猟師のほとんどが夕方、周辺の水田へ行く直前の鴨を捕獲するため、鴨の内臓に何も残っていない。
    捕獲数日後でも内臓からの腐りがなく、臭みが発生しない。
  • 3. 鴨は坂網にかかった後、大半が周囲の松の枝などに引っかかるため無傷で血を流さずに捕獲される。
    肉に血が回らないから、肉の味を損なうことがないので臭みがない。銃で撃った鴨では、こうはいかない。

これが、坂網猟法の鴨が「究極」といわれる所以なのです。
また、栄養価においても、鴨肉にはビタミンB1、B2、Aが豊富に含まれ、鉄分もたっぷり含まれます。
…鴨の栄養価について。

加賀市内で「坂網猟」の鴨が食べられるお店

"加賀料理 ばん亭 店内のようす01"

加賀料理 ばん亭

加賀の旬の食材を活かした料理を美しい盛り付けと共にお楽しみ頂けます。
冬期(11月15日~2月15日)には加賀の藩政時代から続く「坂網猟」で獲れた真鴨をつかった鴨鍋や串焼などの季節限定メニューをご用意しております。
詳細ページ

"料亭・割烹 山ぎし 店内のようす01"

料亭・割烹 山ぎし

いたずらに飾り立てることもなく、加賀の豊かな海、山、川の恵みを、できるだけ素材のもっているそれぞれの本当の持ち味を生かして、お客様に召し上がって頂くこと、それが私どもが大切にしたい「こころ」です。
詳細ページ

第二章 伝統の坂網猟「飛ぶ鳥を網で落とす名人技」

伝統の坂網猟「飛ぶ鳥を網で落とす名人技」

坂網猟は石川県民俗文化財に指定された伝統猟法で、片野鴨池周辺の丘陵地を低く飛び越える鴨を、坂網と呼ばれるY字形の網を投げ上げて捕らえます。
坂網猟が始まったのは今から約300年前の江戸時代の元禄年間と伝えられ、大聖寺藩主が武士の心身の鍛錬として坂網猟を奨励したことから多くの藩士がこれを行っていました。
坂網は長さ3.5㍍、Y字形の先端の幅1.3メートル、重さ約800グラムで、ヒノキと竹、ナイロン網などで作り、羽音を頼りに鴨をめがけて数メートル、時には10メートル以上の高さに投げ上げます。
猟期中の夕暮れ時、鴨が近くの水田へ落穂などの餌を求めて鴨池を飛び立ち、周囲の丘を飛び越える僅か15~20分ほどの時間だけ猟を行います。

また、この地では、坂網猟で捕ったつがいの鴨を結婚式の引出物にするなど、鴨を活かした食文化と坂網猟を守ってきた歴史があります。

「坂網猟」の鴨を生かした食文化

片野鴨池とそこに集まる水鳥たち、そして伝統の坂網猟を加賀の人たちは大切に守り伝えてきた。
藩政時代には大聖寺藩から幕府へ毎年、五番(つがい)の見事な鴨が献上されたといい、古くから鴨のつがいはこの地方の結婚式の引出物に使われてきた。
引出物には百合根と芹、山葵が添えられ、これで治部煮のセットになる。
鴨肉に小麦粉と片栗粉をまぶし、とろりとした味と舌触りに仕上げる治部煮は加賀の代表的な料理である。
鴨を活かした食文化と習俗が数百年の歴史を越えて、この地に伝えられてきた。

「坂網猟」歴史秘話

坂網猟師たちは、片野鴨池の野鳥を脅かす外部からの脅威には敢然と立ち向かった。
戦前、金沢に司令部を置く陸軍第九師団が鴨池周辺の砂丘地や海岸林で大規模な演習を行うことがあったが、猟師仲間でつくる捕鴨猟組合がその都度、九師団長に嘆願書を提出して発火演習の区域から除外してもらった。終戦直後には占領米軍のウォーカー中将らが何回か鴨池にやって来て銃で鴨や雁を撃ちまくった。
片野鴨池は古来、銃猟が禁止されており、この出来事は坂網猟にとって空前絶後のピンチになったが、当時の捕鴨猟組合長村田安太郎がGHQに直訴し、銃猟を止めた秘話も残されている。

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第三章 世界が認めた湿地保全の理想の姿

世界が認めた湿地保全の理想の姿

片野鴨池は国内有数の冬の渡り鳥の飛来地としてかけがえのない存在です。
昭和59(1984)年10月には池のほとりに加賀市鴨池観察館がオープンし、バードウォッチングのほか周辺の生態系保全活動、地域の子供たちに対する環境教育などの拠点になっています。
また、平成5(1993)年には、その大切さが認められ国際的に重要な湿地の保全を図るラムサール条約に登録されました。

加賀市鴨池観察館 外観鴨池観察館 外観
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加賀市鴨池観察館 館内のようす鴨池観察館 館内のようす
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ラムサール条約

正式名称は「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」。
特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地及びそこに生息・生育する動植物の保全を促し、湿地の適正な利用を進めることを目的として、1971年2月2日、イランのラムサ-ルで開催された「湿地及び水鳥の保全のための国際会議」において採択された条約。

鴨と坂網猟師の「いい関係」

片野鴨池の池端ではかつて田んぼが作られ、秋になると早々に稲刈りを済ませ、池の水門を閉じて田んぼを水浸しにして渡り鳥を歓迎して守ってきました。
渡り鳥がした糞は、春に水を抜いて田んぼに戻した時の肥料になり、美味しいお米が取れ、水鳥と田んぼの「いい関係」が保たれてきました。
こうした「いい関係」は坂網猟師と鴨の間にもみられ、坂網猟師たちは鴨池周辺で環境保全の活動を行っています。
猟師たちは猟のない季節も鴨池にやってきて周囲の湿地を覆い尽くすヨシやマコモを刈り取ったり、松枯れなどで池の周囲の樹木が枯れれば植林したりします。

昭和30年代の片野鴨池昭和30年代の片野鴨池
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マコモ刈りのようすマコモ刈りのようす
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田植え風景田植え風景
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坂網猟は鴨を捕獲することに変わりはありませんが、片野鴨池の冬の3カ月間という空間的にも時間的にも極めて限定された環境で行なわれるため、鴨の群れの存続に重大な影響を及ぼすものではない「一網打尽」とは程遠い持続可能な猟法なのです。
ラムサール条約は、湿地の保全の理想の姿として「ワイズユース(賢明な利用)」を掲げています。ワイズユースとは、湿地の自然生態系を損なうことなく、湿地が周辺の人々に与えてくれる恩恵を最大限に利用することで、片野鴨池の藩政時代から続く渡り鳥と農家、坂網猟師との「いい関係」が「ワイズユース」として認められたことを意味します。

片野鴨池と坂網猟の保護の推移
昭和44(1969)年3月 片野鴨池、石川県天然記念物に指定
坂網猟、県指定民俗文化財に指定
同 63(1988)年10月 県が大聖寺鳥獣保護区内に鴨池特別保護地区を指定
平成 5(1993)年 国設片野鴨池鳥獣保護区特別保護地区、越前加賀海岸国定公園第一種特別地域に指定
同年6月10日 ラムサール条約登録湿地に登録

写真協力:(公財)日本野鳥の会


より大きな地図で 加賀市鴨池観察館 を表示

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加賀温泉郷のグルメ・「坂網鴨」。温泉・観光・旅行でお越しの際は、是非ご堪能ください。


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